(FAQ2)
キャンプの楽しみ

たき火、山菜、天ぷら、唐揚げ、塩焼き、薫製、ビール、ビール、ビール・・・。
3泊くらいすれば身体が慣れて楽になりますが、1週間も同じ場所にいると
さすがに飽きてきます。

山岳渓流の世界
紀伊半島には、林道のない奥深い沢が数本かろうじて残されています。
遡行にはそれなりの技術と装備が必要になりますが、
人気のない谷奥に分け入ることで自身の野生を回復させることもできます。

基本的な装備は、ゴアテックスのカッパのズボンの裾をネオプレーンのソックスで押さえ、
さらにネオプレーンのスパッツをはきます。
ズボンは超速乾のモンベル社シャルモニッカ、靴は秀山荘のウェーディングシューズで、
このように固めていれば、オールシーズン全天候型でヤマヒルやマダニにも耐えることができます。

帽子は、cabela'sのジョーンズハット。ゴアテックスのチロルハットタイプで、
カッパのフードなしでかなりの雨に耐えることができます。
(視界が悪くなるので、私は沢ではフードは出したことがありません)
下着はポリプロピレン等の化学繊維で、登山シャツも同じ。

あとは、沢のグレードに応じて、7mm30mのザイルやシットハーネス、エイト環を持っていきます。
ただし、懸垂下降は十分に練習してから行ってください。
すっぽ抜けや宙づりになると危険です。

よけいな物はいっさい持たず、軽量化に徹します。
ちなみに、私の籠はヘラブナのタモのネットの口にひもを通して袋状にしたものです。

拾ったルアーはよく釣れる
昔むかし、私がまだ学生のとき、「拾ろたルアーは良う釣れる」と学生釣魚連盟のルアー・フライ大会で
某大学の先輩が教えてくれました。

当時は関西のブラックバスの黎明期で、スィッシャーはベビートーピード、ワームはトーナメントワームの
ブラックグレープ、タイガーカブの色はGRA、ジョイントラパラは青銀というような、
誠に些末な情報ですらなかなか入手することができませんでした。

そんな中で、七色ダムでスピードシャッドの蛍光グリーンを拾い、なくすまで良く釣ったことを覚えています。

拾ったルアーは何故良く釣れるのか?
それは、なくすまで頻繁に繰り返し使われていたからであり、このように繰り返し使われるということは、
そこでそれなりの実績があったからに他ならないのです。

ちなみに、釣れないルアーは使われないため、ボートが沈没でもしない限りいつまでたっても
タックルボックスの中に残っています。

というわけで、減水時の湖で立木に引っかかっているルアーを見つけたら、可能な限り回収し、
ルアーの種類やサイズ、カラーを確認し、重要なデータとして今後の釣行に役立てます。
このとき、ルアーと共に絡んでいたラインもついでに回収しておくと、その後の根掛かり対策として
自分のためにもなります。

余談ですが、当時の七色ダムや池原ダムでは、ジョイントラパラ(F)とトーナメントワーム6インチがあれば、
1日中釣りが楽しめました。
ただ、ジョイントラパラは潜行深度が浅いため、下の写真のミノーを自作したりしました。

これは、私の初めてのハンドメイドミノーで、1.5m以上潜るミディアムダイブのF・ミノーです。
エレキのスクリューに巻かれたためにボロボロになっていますが、100匹以上のバスの血を吸い、
100匹目はダブルヒット(この場合は1個のルアーに2匹が同時にヒットすること)で飾っています。

このミノーは、削ったバルサにタバコの銀紙を貼り、30分硬化型のエポキシ接着剤でコーティングした
稚拙なものですが、ベイトリール対応の10gのウェイトと、深度をかせぐための大きな比重と、
ハート形の大きなダイビングリップを備え、スローでの大きなウォブリングとハイスピードでのバイブレーション、
派手なトゥウィッチを得意としています。

シェルスプーンの使い分け
シェルスプーンは、湖の水色等にあわせて使い分けます。
私の場合は、アワビはオールマイティに使用し、夜光貝は、湖水が少し白く濁ったときに
使用するようにしています。

ただ、いつも濁り気味の湖が澄んだ場合と、もともと澄んでいる湖が濁り加減になった場合とでは、
水の清濁の見方に相対的な差がでることもあり、上記と逆の使い方も考えられるので、
両方を同時に使ってみて、はまった方を使う方がいいかもしれません。

湖水につけたときに周囲ごとボウッと光るようなときの夜光貝、
特にキビナゴ筋やツノ部分には凄まじい威力があり、よく釣れるはずの赤いアワビですら
かなわないようになって夜光貝のみにヒットするようになります。

ただ、夜光貝は酸性雨の影響か、湖水で表面が白く曇りがちになるため、
仕掛けをあげるたびに拭いてやる必要があります。

曇りがひどい緊急時には、泥水がしみ込んだ舫ロープを使用すると効果的です。
なお、アワビも曇るのは同じなので、ときどき拭くようにしてください。

ボートのバランス
レイクトローリングでマイボートを使用される方は、軽量であることがボートの重要な購入条件となっていたと
思います。

多分にもれず私もそうであり、最初はグラマンのアルミカヌー15fに2psの船外機を付けて乗っていました。
このカヌーはボトムがフラットで安定性が良く、ポンツーン(アウトリガー)なしでも余裕で立ち上がって
キャスティングができるくらいでした。

しかし、このような軽量のボートは風や波に弱く、特に1人で乗船する場合は前が浮きがちになるため、
前に石等のバラストを積んでおかないとバランスが損われボートが非常に不安定になります。

「そんなことは常識だ」というそこのあなた。
では、バランスの悪いボートが具体的にどんな目に遭うかご存じでしょうか?
以下は、私の体験談です。

「真冬のさなか、池原ダムを島回りから前鬼に帰ろうと強風の中を走行していたときのことで、向かい風が
飛沫を飛ばすくらい強かったため、対岸の鳥渡谷に逃げようと全開のスロットルを急に下げたときであった。

船外機をブラケットを介して横付けしていたため、斜め後ろに作用したエンジンブレーキに強い風波がシンクロし、
船首が大きく持ち上げられたカヌーは着水部分が細い船尾のみとなって、あっけなく沈した。

水温5度では5分しかもたないというオホーツクの漁師の話が頭をよぎり、ならば10度では15分くらいか、
空身では服の抵抗が大きくて泳げない、ロッド7本は持ちきれないので高い順の5本にしようなどと、
意外に冷静に考えながらカヌーをつかんで国道側に泳ぎだした。

風が追い風であったのは今考えてもラッキーであるが、さすがに500mも泳ぐと体が冷え切り、
岸に上がったときは口も満足に利けない状態になっていた。

崖を登って何とか国道まではい上がると、3個ほどのルアーが手にモドリバリまで刺さっており、
服も脱げないので、びしょ濡れのまま村の診療所まで連れて行ってもらった。

若い当直医に、「こんなん取れるかー?」などと言われながら、抜き方を指示し、麻酔なしのメスでハリを抜いてもらった。」

シェルスプーンのサイズ
シーズン初期やその後において、シェルスプーンのサイズは大きい方がよいか小さい方がよいか。
私は、芦ノ湖や中禅寺湖という過密な状況の湖には行ったことがないので、銀山湖や黒又第2あたりを
想定してお答えします。

シーズン初期は魚はスレていないので、目立ち気味にするほうが良いように思います。
私の場合は、シェルスプーンを単独で付ける場合は、70~80ミリ台、ときには下記中央の写真のように
90ミリ以上
を付けることもあります。
(芦ノ湖等では60~70ミリ台が良いかもしれませんが)

これと合わせて、40~60ミリのシェルスプーンをカウベルドジャーと組み合わせて使用します。
ドジャーを使う理由は、振り子状に動くドジャーのジギング作用によるトリッキーな引き回しと、
ドジャーの反射による集魚効果で小さなスプーンを目立たせるためです。

あと、スプーンの大小の使い分けは、魚の活性にも左右されます。
活性が低ければ小さなものがよく、高ければ大きなものがよいと考えられます。
この場合、シーズン初期でも雪代水が入ったときは活性が下がりますし、梅雨明け直前や夏場でも夕立の後は
活性があがったりするので、このようなスプーンのマッチサイズの変化はシーズンを通じて言えると思います。

大事なことは、大きなルアーでも小さな魚は釣れるし、小さなルアーでも大きな魚が釣れるということです。
ちなみに、FAQ1にあるビール箱の上の60㎝のサクラマスは、ドジャー付きですが40か50ミリ台の
小さなアワビスプーンで釣っています。

それと、もう1つ大事なことは、シーズン初期は、反応カラーと呼ばれる白ピンク等の赤系蛍光色(ミノーの腹色が
オレンジベリーであったりするのはこのため)が圧倒することがあるので、このようなメタルスプーンやミノーも
同時に試される方がよいと思います。
これもFAQ1に書いてあるのでご覧下さい。

余談ですが、メキシコアワビは、夜光貝のキビナゴ筋のような光の筋が
縦に何本もあらわれるので面白いかと思います。
アワビや夜光貝にスレてきたときに、魚の目先を変えるのにも良いのではないでしょうか。

複数のロッドの使用
複数のロッドを出す場合は、少なくとも操船に慣れている必要があります。
特に 3.5ps以下のクラッチのない船外機は、スクリューの回転によって船外機が一方向に首を振るので、
常に手でハンドルを持っていないとボートが回転します。

風が強いときに1本のロッドが根掛かりし、根掛かり回収とボートの立て直しに気を取られていると、
手を離した隙にボートが回転することがあり、もう1本のロッドがスクリューに巻き込まれ、
最悪の場合はロッドまで折られることもあります。

しかし、1人で4本のロッドを出される方もいるくらいなので、レッドコアラインのリリースが円滑に
行えるようになれば、ロッド2本くらいは容易に扱えるようになります。
レッドコアラインは、1色を出し切ってさえしまえば、負荷の小さいルアーを付けている場合でも後は
スムースにリリースすることができます。

ロッド間の絡みについても、レッドコアライン同士は水の抵抗により平行に走りがちになるため、
10ftくらいのロッドを使用していれば、よほど急な旋回をしないかぎり大丈夫です。

ただ、荒天時や根掛かりの多い場所などの条件によっては、1本のロッドにしぼる等の配慮は必要となります。

また、ロッドキープをきちんとしておかないと、リールごと水没するような不幸な事態も発生します。

池原のライフルマン
撃たれたことありますか?ライフルで。

あるんです、私、2発も。
以下は、私の体験談です。

「池原ダムの北山川筋で友人と2人でバス釣りをしていたときであった。
国道と反対側の小さなワンドでカヌーからキャスティングをしていると、ワンドの対岸から突然鹿が飛び出し、
湖に入ろうとした瞬間足元の水が炸裂した。

驚いて周囲を見渡すと、対岸の国道側にライフルを構えた2、3人のハンターが居た。
撃たれ損なった鹿がワンドをこちらに向かって泳ぎ始めたので、カヌーを移動させようとすると、
対岸のハンターが動くなという合図をするな否や、岸に上がりかけた鹿をめがけて再び発砲した。

この1発も鹿から外れ、幸い私たちにも当たらなかった。
ハンターとの距離は声が届かないくらい離れており、鹿とカヌーの距離は5mくらいしかない。
そのような状況の中、しかも2発とも外すようなヘタクソな腕前で人をめがけて撃っても良いのか。

ちなみに、時期は7月で猟期ではなく、害獣駆除かなにかで犬を放って山から鹿を追い落としていたのだと思われる。」

鹿用のライフル弾はとても大きく、急所を外しても命にかかわります。

また、暑いさなかに、しとめた猪を引きずっている人を林道で見かけたこともあるので、
池原方面にお越しの方は夏でも銃弾には気を付けましょう?

キャンプ用コンロ
キャンプ等で使用するコンロには、大きく分けてガソリンを使用するガソリンコンロと、
ガスカートリッジを使用するガスコンロとがあります。

コールマンに代表される前者は、火力が強くて夏冬を選ばず使用することができますが、
使用時にポンピングが必要で、また、やや重くかさばるというデメリットがあります。

これに対し、EPIあたりから発祥した後者のガスコンロは、バルブを開けて着火するだけで
使用することができ、また、最近は種類が増えるとともに、改良されて軽量・コンパクトに
なっています。

しかし、このガスコンロは、気温が低いとガスの放出に伴ってカートリッジが冷却され、
火力が著しく低下するという欠点があります。
特に、カートリッジの容量が減った場合は顕著であり、そのため、カートリッジにガスが
残ったまま捨てられることさえあります。

そして、このように中途半端に捨てられたガスカートリッジが悲劇を引き起こすこともあります。
以下は、私の体験談です。

「目指していた沢にようやくたどり着いてテン泊の用意をしていると、錆びたガスカートリッジが
2個捨てられているのが目に付いた。

手に取ってみると、どちらもガスが1/3くらい残っており、使い切ることができなくて
捨てたことがわかった。

「せめて持って帰れよ」と思いながら、火を起こして酒を飲んでいると、
「椎名誠の探検隊ではガスカートリッジを焚き火にくべる」という話を思い出した。

火はカートリッジのジョイント部からボーッと吹き出すという間違った思い込みもあり、
花火でも上げるかと1個だけくべた。

3歩歩けば忘れるというニワトリほどではないにしても、何故か忘れて焚き火の前で酒を飲んでいると、
突然バッという音とともに目の前がオレンジ色になり、カートリッジが爆発したのがわかった。

沢で濡らした布で顔面と手を冷やしながら寝たが、当然火傷は負っており、翌朝は両手に親指大の
水ぶくれが20個ずつでき、目も塞がりかけていたので、暗いうちからテントをたたんで急いで下山した。

途中で応急手当を受けたにもかかわらず、車にたどり着いた頃にはほぼ両目がふさがっていた。

幸い見つけた運転代行業者に頼んで家まで5時間かかって運転してもらい、
大金を払ってから医者に行くと即入院を言い渡された。

因幡の白ウサギ状態の手がなかなか治らず、ケロイドにはならなかったものの約40日の入院となった。」

野生の動物
私は沢で渓流釣りをするせいもあり、鹿、カモシカ、キツネ、タヌキ、猿、熊などの野生動物を見る
機会が結構あります。

たいていの場合は、こちらが余計なことをしないかぎり安全?ですが、
向こうも常に機嫌が良いとは限りません。

猿については、怒るとやはり危険で、群れに威嚇され石を落とされたことがあります。
ゴルジュの発達した谷に渓流釣りに行っていたときで、群れがいたところは、切り立った両岸の
樹林が高いところで交わるような猿の通り道だったようです。

巨木に登った数十匹の猿が枝を激しく揺さぶって威嚇しますが、こちらも帰り道はそこしかないので、
なるべく刺激しないように、竿をたたみ早足で群れの下を通り抜けました。
ただ、このように敵意を示されたのは1度だけで、後の10回くらいは何事もなく過ぎています。

熊については、3回見たことがあり、内の2回はボートからだったので、お互い距離をおいて良く観察し合いました。

しかし、後の1回はニアミスでした。沢を水がなくなるところまで登っていた私は、
日没に間に合うように飛び石づたいに走って降りていました。

対岸で藪が折れる大きな音がしたのであわてて振り向くと、2頭の小熊が後を追って藪に飛び込むのが見えました。
最初の音は母熊が逃げるときのもので、私が反対の岸づたいに下っていれば子連れの熊にはち合わせしていたと
思われます。

本州にいる月の輪熊は、体長が1mくらいで羆に比べるとずいぶん小さいですが、野生動物が一旦牙をむくと
非常に恐ろしいことは話にも聞いています。

むかし、北海道の日高で3人の大学生が1頭の羆に殺されています。
奪われたリュックを取り返そうとしたところ熊が逆上し、順番に襲われる中、最後の1人はテントの中で遺書を
書いていたそうです。

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