(FAQ1)
ここでは、過去にいただいたご質問に対する私なりの回答を紹介させていただきます。
ただ、私は40箇所ほどの湖でレイクトローリングをしていますが、
芦ノ湖や中禅寺湖等の極端に釣り人の多いところには行ったことがありません。
関東圏で言えば、銀山湖を想定していただければ雰囲気的に近いような気もしますが、
ギャップもあると思いますのでその点をふまえてご覧ください。
また、私の場合、水面までボートやエンジンを垂直換算で30~50m上げ下ろしする
ことが多いので、装備はできるだけ軽量コンパクトにする必要があり、そのため、
魚探等は基本的に使用しておりません。

レイクトローリングのレンジとスピードについて

レイクトローリングのレンジとスピードについては、先ず、どのような状況の湖で釣りを
しているのかで大きく変わってくると思います。

あまり人がいず魚がナーバスになっていない場合は、明け方はレッドコアは水面から
カウントして2色沈めて水深3m付近を流します。
これは、浅すぎるように思われるかもしれませんが、たとえ4色以下の深さに魚がいたとしても、
活性の高い魚は、上を意識しているので3mくらいまでなら容易に出てくるからです。
逆に、魚より深いレンジを流した場合はほとんど釣れることはないので、貴重な時合を無駄に
するということになります。

日が高くなり始めると3色に落とし、また、反応が鈍い場合は最初から4色くらいで流します。
プレッシャーが高いと判断した場合は、6色で真ん中を流すこともありますが、だいたい私は
2~4色が多く、また1色で大型を釣ったり、ほとんどモノフィラを巻いている状態で釣れたり
することもあります。

スピードについては、アイドルから少し上げた歩行速度を基本にしていますが、たまには
上げたり下げたりすることもあります。
ハイスピードの流し方については、グラマンのアルミカヌー
15feetに2psをつけて3/4開で
走っていたときに、自作のアワビ貼りミノーで45㎝のサツキマス(そこでは大きい方)を2本
連続で釣ったことがあります。
このときのレンジは1.5mくらいでした。

短時間で長い距離をトレースすることや、魚の遊泳速度がボートよりも遙かに速いことを
考慮すれば、レイクトローリングのスピードは速いほうが効率的ですが、エンジン音や引き波、
弱ったベイトフィッシュから捕食されること、トラウトの活性が低い場合などを考慮すると、
やはりスローから普通の早引き程度が基本でしょうか。

レイクトローリングのロッドとリール

ロッドとリールについてですが、私が使用していたタックルは、10フィートの柔らかい
国産のシーバスロッド(ヘミングウェイ社)と、10フィートのバスプロショップの
トラウト用キャスティングロッドでした。

本当はムーチングロッドが良いのでしょうが、持っているものは重く硬かったのであまり
使用していませんでした。
Cabela'sのライブベイトロッドは使えましたが、ガイドがチヌ竿のように小さいので
交換する必要がありました。

レイクトローリングのロッドは、バットがしっかりとしていて竿先がある程度
柔らかいものが適しています。

しっかりしたバットは、ラインの負荷に耐えるのと確実なフッキングを得るために必要であり、
また、ラインに掛かったゴミを払ったり根掛かりを外したりするときにも必要となります。
これに対し、柔らかい竿先は、バラシを少なくしたりファイトを楽しむために必要です。

当時の私はHomeLakesがほとんど急峻なダム湖で、ボートの上げ下ろしでタックルが傷だらけに
なることもあり、ロッドはこのような条件に近ければ取りあえずどんなロッドでも使用していました。

ちなみに、まだ若くビンボーだったその頃の私は、千円~二千円くらいの1.8~2.4mの
キス用のボートロッドを使用していました。

の写真のブラウントラウトとイワナは、これらのロッドで釣っています。

特にブラウントラウトは、根掛かりで穂先を折ったために、先端に缶ジュースのプルリングを
固定したロッドで釣っています。
しかも、このロッドは振り出しだったために、折損時に中間のガイドがすべて水没し、結局は
根本のガイドと先端のプルリングとでラインをガイドし、絡みをほどきながら釣り上げたことを
記憶しています。

リールは、使用していたのは
penn209でした
当時はバスプロショップで
34ドルと安く買えました。

リールで重要なのは、18lbのレッドコアラインが100ヤード余裕をもって巻けること、
信頼できるドラグをもっていること、堅牢なことでしょう。
また、ギヤ比が小さすぎてもサクラマスの突進の対処に苦労するので、ある程度のギヤ比も必要です。
少し高くなりますが、
abu700010000も良いと思います。

レイクトローリングのルアー

レイクトローリングのルアーにもTPOがあります。
なお、私は中禅寺湖や芦ノ湖といった関東圏の湖で釣りをしたことがないため、
比較的人が多く魚がスレ気味である銀山湖を想定して説明させていただきます。

まず、シーズン初期の低水温時、このときには反応カラーと呼ばれる蛍光赤系の色が
圧倒することがあります。
タックルスプーン7gシルバー地ピンクやプリズナー7gシルバー地ピンク、
ハーレー8g白ピンク、あるいはラパラF5~F7赤金、その他、細身のミノーの
フローティング蛍光赤系です。

ただし、この時期でも、当然シェルスプーンのヒットの確率は高く、私は2本出すロッドの1本に
反応カラー、もう1本にシェルスプーンをつけて様子を見ます。

次に、少し水温が上がってきたときは魚もスレはじめており、このころからシェルスプーンの
威力が強く現れるようになります。
シェルスプーンは大きく2つに分けて、金属スプーンにシェルスライスを貼り付けた物と、
原貝から直に削り出すことによって作られた無垢のシェルスプーンとがあります。
金属スプーンに貼り付けた物はキャスティングに適する等のメリットがありますが、
無垢のシェルスプーンのような透光性はありません。

無垢のシェルスプーンは、この透光性において、シェル貼り付け型金属スプーンに対し
優位を保っていましたが、巻き貝であるアワビや夜光貝の原貝にはねじれがあるため、
そのままの削り出しでは早引きにおいて回転するといった欠点がありました。

原貝を裏表両面から削る方法もありますが、厚みに限りがある貝殻をこのように削ると、
アクションを生むアールまで殺してしまうことがあるため、私はシェルスプーンのエッジ部を
非対称に対角線カットすることにより(
PAT)、この問題に対処しています。

シェルスプーン等のチューニング

私のシェルスプーンは、レイクトローリングを前提に、アクションやフッキングを
重視して製作しています。

SIWASH
をツインで使用する理由は、トリプルフックなみのフッキングのよさ、
スッと入る刺さりのよさ、掛かったら外れない等のフッキング面と、
ルアーの泳ぎのバランスが良好に取れる点にあります。

キャスティング時のフックの絡みについては、飛行時や着水時に絡んだりすることが
考えられます。
そこで、ツインフックで通す場合は、リトルーブに入る前に短いストロークで
1、2度しゃくるか、着水直前のサミングによって対処してください。

一方、フックを1本にする場合は、スプーンの表側にポイントが向く方のフックを
外してください。
それで、スプーンのアクションが大きくなりすぎたり暴れたりするようであれば、
フックの番手を大きなものに上げてみてください。

また、左下の写真のように、フックのふところから先を切断したような形状の
バランサー
をステンレスの針金で作り、片方のフックと交換すると
アクションは変わりません。
この手法は、海外のシングルフック1本ルールにとても有効です。

シェルスプーンのウェイトを増やす方法は、例えば、フローティングミノーをサスペンドに
するための粘着材が付いた鉛板(ラパラ製等)がありますので、それをシェルスプーンの
裏面に貼ってください。

この場合、シェルスプーンの透光性をなくさないように、また、重くなりすぎないように
注意してください。
鉛を貼る位置によってアクションが変わりますが、真ん中やや後寄りがいいと思います。

なお、ツノは比重がシェルスプーンより小さいため、トローリング時にもオモリを
張った方がアクションが安定します。

ドジャーについて

ドジャーについては、私は、ジェンセン・ドジャー(ウォブリングが大きい)の030番
(約11.5㎝)を使用しています。
これより小さい040番(4/0)は回転しやすく、また、これより大きい靴底大のドジャーでも
釣れますが、負荷が大きすぎてアタリを見逃すと魚が掛かっていてもわからない場合があります。

ドジャーの利点は、反射光による集魚効果のほかに、ドジャーの動きに伴うジギング作用があります。
このジギング作用を有効に利用するために、私は、ドジャーからリーダー(シーガー2号)を
40㎝前後と短めにとり、4~5㎝の小さいシェルスプーンをつけます。

このようなリグによれば、スプーンの小刻みな動きに、ドジャーによる不規則な引き回しが加わり、
実にトリッキーなアクションを出すことができます。
田子倉湖あたりでは、7グラム位のルアーを使うせいか、リーダーを1メートル以上とっている人を
多く見かけますが、これでは、上記のようなジギング作用を得ることはできません。

もちろん、ドジャーを使わずに、スプーンを単独で引くことも多くありますが、この場合、
シェルスプーンでは、60~80ミリ、なかでも70~80ミリの大きめのものを
好んで使用しています。

以上は、私のベーシックな釣り方であり、当然これ以外に、90ミリ以上のシェルスプーンを単独で
引いたり、ドジャーに50ミリ以上のシェルスプーンをつけたりすることもあります。

根掛かりの回収方法

8~10号くらいの六角等環付きオモリにスナップを取り付けたものを用意します。
スナップは環の小さい方をオモリの環に取り付けます。

根掛かりしたときには、無理な力がかからないように、しかもラインをなるべく張った状態で
リールを巻きながら根掛かり位置の真上までボートを移動させます。

そして、上記のオモリのスナップを軽く張ったリーダーにかまして、そのまま水中へと落とします。
オモリがルアーの位置まで届いたらリーダーを張り、ロッドを小さく軽くしゃくり続けます。
これにより、オモリの重量がフックを抜く方向に作用し、ルアーが外れます。

この方法は、ジグヘッドのようなフックとボディが一体となったルアーでは9割方
回収することができます。
スプーンでも、4色までで風が弱い状態なら8割前後の確率で回収できると思います。

ただ、回収に失敗すると、水中にオモリが残ってしまうわけで、鉛のオモリの代わりに
ボルトやナットあるいは5寸釘等に針金とスナップを付けたようなものを使用するべきかもしれません。

同船者ばかりが釣れる不思議

「またぁ?!」岸側や沖側にかかわらず、同じレンジを同じルアーで流しているのに同船者ばかりが
ヒットする、操船しているのは私なのに。
こんな経験はありませんか?

これはリーダーの長さによるものだと私は考えています。

カヌーなど前後の席が離れていると、リーダーの長さが同じ場合、同船者のルアーが2mほど先に
泳ぐことになります。

魚の活性が普通か高い場合、通常は先に通るルアーに反応するようで、その結果、前に座っている
同船者ばかりが釣れるという事態が発生してしまいます。

では、どうするか?

原因が分かれば対処は簡単で、同じ位置をルアーが泳ぐように、操船者のリーダーが短くなるよう
長さを調節する。
または、前後の乗船位置を交代してみる。

このように、とても簡単な方法で、2人の間に不穏な空気がただよう前に、
この実に不愉快な事態を解消することができます。

ドジャーのカラー等

ドジャーには、ヘリングトジャーとジェンセンドジャーとがあり、私はウォブリングアクションの大きい
ジェンセンドジャーを使用しています。

カラーは、クロームやブラス/ニッケル(ツートン)、クローム/シルバープリズム
(レインボースケールを貼ったもの)で、クローム/シルバープリズムを最も多用しています。

また、チャートリューズ(黄緑蛍光)等は湖が濁っているときによさそうなので、これから試してみたいと
思っています。

ドジャーによる反射光はサクラマスの群れを感じさせるところがあるので、イワナを狙うときには
ブラスカラーにするか、あるいはドジャーを使用しない方が良いかもしれません。

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