(FAQ365)
スプーンとシンメトリー
私の友人には、銅板や真鍮板を叩いて曲げ、ハンドメイドでスプーンを作る、常見忠氏のような人がいます。
また、九頭竜湖でも、同様に金属板を叩いてスプーンを自作する人に会ったことがあります。
彼らは器用にも、凸のハンマーと凹の受け木を使って、オークラのようなカップの深いスプーンを製作していました。

これらは何十年も昔の話ですが、彼らは簡単に作れると言っていました。
しかし、当時の私には、どうやってシンメトリー(左右対称)をとるのか不思議に思えてなりませんでした。

それを問うと、別に完全にシンメトリーにする必要はないという返答で、
実際、スプーンをよく見せてもらうと、失礼ながら左右対称の美しい形状ではありませんでした。

「スプーンにシンメトリーは必ずしも必要ではない」
この言葉が、今の私のシェルスプーン作りの原点の一つになっています。

材料の原貝はねじれている。
そのねじれを取ることができなければ、他の部分でバランスを取って相殺すれば良い。
これが私の「対角線カット」の特許でした。

「対角線カット」を目に見える形で入れることも少なくなりましたが、
「ねじれを相殺する」という考え方は、I'zShellCraft のシェルスプーンに今も生きています。

シェルスプーンに多少のねじれが残るようでも、最終的に泳ぎが良ければ何ら問題はありません。
「スプーンにシンメトリーは必ずしも必要ではない」のです。

100mm超のフルサイズになれば多少のねじれは残りますが、それを相殺する手段が講じられています。

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