(FAQ27)
シェルスプーンの威力

さて、シェルスプーンの威力の源とは何かを考えてみたいと思います。
一般に、スプーン、特にトラウトフィッシングに於いて「最強」の名を欲しいままにしているアイテムこそが
アワビ、牛角などの天然素材です。


どちらの材料も半透明で七色の輝き(*)を発し、グアニン色素のきらめきはまさに魚の鱗そのものであり、
天然素材ゆえにふたつと同じ物が存在しないなどの素晴らしい特性を数多く備えています。

この特性を最大限に活用するには、シェルシートによる金属への張り物など透光性を損なう方法ではなく、
原貝から削り出しで作る無垢スプーンが最も優れていると私は考えています。

ただし、一般的な製作方法による無垢シェルスプーンは、水中でのアクションを調節する方法まで考えて
作られていなかったり、製品出荷前にスイミングテストを行っていなかったりする為、結果として
製品のバラツキや当たり外れが大きい
ことが難点でした。

I'zShellCraftのHPを2002年12月に立ち上げて早や7年、その間に、非常に多くのご用命を頂けたのは、
他のものに比較してシェルスプーンのアクションへの拘りが人一倍あったからと思っている今日この頃です。


*) レインボーシート、オーロラシートなども七色に輝くものの、光線の弾き方はシェルとは比べ物にならないほど単調です。

北海道北部のプロのマス曳き縄漁でも威力を発揮したI'zShellCraftスプーン。潜行板6層曳きで手釣り。
北米5大湖トローリングとは異なる日本独自の合理的なトローリング。

七色ダムのかんざし
今から30年近く前の話である。
友人2人と七色ダムでキャンプしていると、朝早くから「すみません、すみません」という声がテントの
外から聞こえた。

テントの外に出てみると、2人の子供を連れたおじさんが立っており、湖上のボートで泣いていた知らない
子供を拾ってきたとのことである。

子供たちは2人だけで手こぎのゴムボートに乗り、バス釣りをしていたところ、1人の子供がキャスト
しようとしたルアーがもう1人を引っかけて刺さったらしい。

見れば、子供のこめかみからは巨大なバス用のルアーがぶら下がっており、カラフルなプラグは、
さながら舞妓さんのかんざしのようであった。

幸い、村の診療所に車で連れて行き事なきを得たが、ルアーを友達の顔に刺してしまった子の方が
真っ青な顔で恐怖におののいていたのが印象的であった。

フックがモドリバリまで刺さっていても、メスで引っかかっている皮膚の一部を少し切れば簡単に外れる
のだが、小学生にそんなことはわかりませんものね。

海松(レインボーコーラル)

大きめのシェルスプーン
大きめのシェルスプーン、例えば、70~90mmくらいのものは、ドジャー等のアクセサリーを着けることなく、
シェルスプーン単独で使用します。

これは、ルアーが大きすぎるためにドジャーの動きを阻害するのと、単独でも十分目立ってアクセサリーが
不要であることによります。

そして、重要なことは、イワナとサクラマスが混生しているようなところで、イワナを狙うときにこのリグを
使用することです。

イワナは、サクラマスの群れを嫌うので、これを彷彿させるドジャーを使用することなく、大きめのシェルスプーンで
集魚力を高めながら、シェルスプーンのウォブリングで狙うと効果的なのです。

シェルスプーンは多少サイズが大きくても、メタルスプーンに比べて魚に与える違和感が遙かに小さいのです。

ところで、イワナがなぜサクラマスを嫌うのか。これは、私の経験則によることが多いのですが、60センチを超える
ようなイワナさえ、釣れ盛っていたサクラマスの活性が落ちてから釣れることが多かったからです。

大型のイワナでさえも、たぶん遊泳力に勝り泳ぎ回るサクラマスがうっとうしく、サクラマスの群れに当たっては
思い通りにベイトを捕食できないのではと私は想像しています。

イケチョウ貝77mm

低水温時のカラー
3月など、水温が例えば2~3℃の低水温時に有利な色に、ピンクやオレンジ等の赤系の反応カラーがあります。

また、この時期は目立ったもの勝ちのことも多いので、メタリックなカラーも有効になり、例えば、シェル張りの
メタルスプーンに反応カラーをペイントしたものなどが優位に立つこともあります。

シェル張りのメタルスプーンは、無垢のシェルスプーンのような透光性はありませんが、このような特別な環境下
では、ナチュラルさよりも派手なカラーがものをいうことになるようです。

I'zShellCraftでは、このようなシェル張りスプーン、特にトローリング専用の薄いフェザーブレードのシェル張り
スプーンを提供することも考えています。

これは無垢夜光貝の反応カラー

I'zShellCraftのメタルスプーン
下の写真は、0.5mmのオリジナルフェザーブレイドを使用し、レイクトローリングに適化した
シェル張りのメタルスプーンです。

可能な限りの薄いブレイドによって、水切りの良さと軽量化を図り、低速から高速まで変幻自在の
アクションを実現しています。

また、反応カラーとアワビで、低水温時の反応とナチュラルなバイトとを両立させています。

70mm 6g

60mm 4.5g

不良のレッドコアライン
どこのレッドコアラインでもあるのでしょうか?
しかし、この不良は、北海道の支笏湖に遠征した私にとって致命傷を与えてくれました。

支笏湖は初めてだったため、かなり緊張した状態でボートを走らせ、湖岸側にレッドコアラインを3色、
沖側に6色で流していました。

暗いうちから流していたのですが、時合いをすぎてもノーヒットなので、3色側のレッドコアラインを巻き
取っていると、何と2色目と3色目の鉛の芯が抜けていたのでした。

1色目のラインには鉛が入っていたため気づかなかったのですが、3色で流しているつもりが、
実は1色で流していたのでした。

わざわざ新品のレッドコアラインに巻き替えていたのに、時合いを逃し、
またタナもよくわからなくなってしまい、大いにコンディションを崩したことを記憶しています。

アラスカ・狼の足跡

GWのフィールドテスト
ちょっと時期が遅かった感がありましたが、とある山岳湖にフィールドテストに行きました。
2泊3日の行程でしたが、50~45センチのサツキマスをはじめとして、多くのトラウトをヒットさせる
ことができました。

この遅れ気味の時期は、魚がバックウォターに集中するか湖水の全体に散っており、広めのエリアを
効率的に攻めるのには、小さめのシェルスプーンのドジャーとの組み合わせが圧倒的に良く、
スレもあったものの連日2桁を釣ることができました。

単独のシェルスプーンにももちろんヒットがありましたが、ドジャーとの組み合わせのシェルスプーンは、
やはりアワビと夜光貝でした(他は試さず)。

Go Shop!


Index

Home