(FAQ252)
紀伊半島の谷
大阪わらじの会の「関西周辺の谷」という本があります。
大峰・大台・奥高野など紀伊半島の険谷の遡行ルートと解説が書かれた本です。

かつて私は懸垂下降を憶えたのをきっかけに、この本のルート図をコピーしてはあちこちの谷を単独遡行していました。
谷は2級から6級(遡行不能)にまでグレード分けされていますが、5級は泳ぎが入るので、釣りに適しているのは2~4級くらいでしょうか。
初めて行く谷でも遡行図があるので、例えば滝があっても高巻きのルートが時間や気力体力を温存してくれます。

しかし、一度この遡行ルート図が間違っていたことがありました。
左岸に踏み後がある30m滝を巻くのに、右岸の絶壁にルートが書いてあり、ルート図通りに高巻いた私は、50m以上の壁に追い上げられました。

引き返せば良いものの、かせいだ高度がおしかったのと、岩壁に10㎝ほどのバンドが走っていて、向こうまで何とか渡れそうだったので、強引にトラバースに入りました。

岩の壁は渡りきるのに30mはあり、ずっと続いているように見えたバンドも半ばで切れ切れになりました。
引き返そうにも、垂直に近い角度でそそり立つ壁で体を入れ換えることができず、躊躇していると膝が笑い出します。

結局、強引にバンドを渡りきりましたが、今考えてもラッキーなのはバンドが最後まで続いてくれたことでした。
ザイルを掛ける木もないし、ハーケンを持っていたとしても使えなかった。
いや、いつ思い出してもぞっとする体験でした。

紀伊半島・大峰の谷。ボートとは逆で、下流を見て左が左岸です。

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