(FAQ16)
スプーンとミノーの使い分け
スプーンかミノーのどちらにするかの選択は好みもあって難しいところがあります。
一般に、トラウトがベイトフイッシュだけを追いかけているときは、ベイトに姿形が似ているミノーの方に
優位性があると考えられます。
特に、ヒメマスの稚魚など、大きめのベイトフイッシュを追っているようなコンディションでは、通常の
ミノーはもとより、ビッグミノーと呼ばれるような大きめのミノーが有利になることがあります。
ところが、トラウトの活性が低いとき、または陸生昆虫やサンショウウオなども補食しているような
コンディションでは、スプーンの方に優位性があると私は考えています。
その理由は、スプーンは、実際は小魚にも昆虫にも似ていないにもかかわらず、水中でアクションして
いるときは幻惑的で実体が把握しにくく、そのため、トラウトがそのときに意識しているベイト、すなわち
ミノーや昆虫、サンショウウオのいずれにも見えると考えるからです。
これに対し、極小のミノーは例外として、通常のミノーはやはり小魚のようにしか見えないらしく、
ベイトフイッシュを捕食していないコンディションや環境では全く釣れない場合があります。
したがって、私はスプーンをオールマイティに使用し、ミノーに優位性があると判断したときには、
その場に応じた大きさのミノーを使用するようにしています。
ミノーではなく昆虫やサンショウウオを捕食しながら
50cmを超える大きさになった野生のレインボートラウト
フィン付きフラッシャーの威力
ドジャーと並列的に位置づけされるものとして、フラッシャーがあることを以前FAQ9等で紹介しました。
ドジャーがひらひら動く「左右の振幅」を特徴としているのに対し、フラッシャーはスパイラルムーブメントと
呼ばれる「旋回=Rotate」を特徴としています。
なかでも、フィン付のフラッシャー、例えば「Bachholds Fishcatcher」は、平らな板の後ろ側に斜めに突出
するフィンを備え、このフィンにより得られる大きな旋回力によって、低速からでもスパイラルアクションを
するように設計されています。
ドジャーは、通常サイズのスプーンやミノーを付けるとそのデリケートな動きが阻害されますが、フィン付
フラッシャーは、その大きな旋回力によって、抵抗が大きいこれらのルアーにも対応することができます。
効果的な具体例として、「Bachholds Fishcatcher」に、ドールシープや牛角などを取り付けると、アクション
を出しにくいこれらツノ類にスパイラルムーブメントとイレギュラーなダートを付与することができます。
このように、生餌に似るツノをスパイラルムーブメントさせることにより、アメリカのカットベイトリグ(ニシンの
頭部を斜めにカットしてスパイラルムーブメントさせる)に近い威力が得られるような気がします。
これは後発の他社のフラッシャーではあるが、
Bachholds Fishcatcherと同じように立体的なフィンが取り付けられている。
My Favorite Lures 3
ラパラFJシリーズ
ここであらためて述べるまでもないでしょう。レイクトローリングは言うに及ばず、
バス、シーバスでもこのルアーの威力は未だに健在です。
ジョイント特有のうねるようなアクションははまると効果は大きいようです。
サイズは7cm、9cm、そして大物岩魚狙いでFJ11も私の経験では良い実績があります。
ラパラFシリーズ
これも未だに愛用しています。
私はサクラマス・サツキマス狙いでF5、F7を中心に使用していますが、人によっては
上のサイズのF13を使用し、そして大型ブラウン狙いでF18に実績があるのも昔から
知られているようです。
キャスティングでは、重心移動を備える日本製の新しいミノーに比べ飛距離がかせげず、
使う人は減っていますが、トローリングでは重心移動がないほうがむしろプラスに働くようです。
シャローシャッドラップラパラ
シャッドラップラパラのシャロータイプで、L字型に折れ曲がったリップと扁平なボディによる
バイブレーションに近い細かいアクションを身上としています。
一見地味に見えますが、トラウトが通常のミノーにスレたときに、バイブレーションアクションが
大きな威力を発揮します。
これもさすがにラパラで、低速から高速まで対応することができます。
My Favorite Lures 4
フレクライトミノー
今は無きオリムピックの古いミノーで、透明のボディの内側にホログラムシートを貼着したアピール度の
高いルアーでした。
カタログには確かPATと書かれていたと思うのですが、使用していると中に水が浸みてきたりするため、
予めコーティングが必要であり、また、重めのボディにしてはリップが貧弱であるため、リップを大きめに
改造する必要がありました。
しかし、そうして改造したフレクライトミノーは、比重の大きなボディで飛距離を稼ぐとともに、大きな
ウォブリングアクションとトウィッチで大型のバスを次々とヒットさせてくれました。
トリプルフックが3個付いた12cmくらいのレッドバックカラーがよく活躍しました。
これは改造前の写真。もっとリップを立てて大きくしなければならない。
シルバークリークミノー
クルーカーに続いて発売されたダイワのミノーで、完成度は昔のルアーに比べて
格段によくなっていました。
(ロビンとかの時代をご存じでしょうか?見た目もさることながら、横に寝て浮くわ、
飛ばないわ、泳がないわ、失礼ながらなめていたとしか思えません)
7cmの一口サイズで、しかも細身。
ベイトが小さかったりタフなコンディションでとても活躍してくれました。
ボートを止めてレッドコアラインを沈降させているときに、74cmのまるまると太った
鯉をヒットさせたことがあります。
フックが伸びきる寸前でしたが、何とか持ちこたえてくれました。
下の2本はクルーカー。これも良く釣れるミノーである。
タイガーカブ
ヘドンのルアー、タイガーのミニタイプです。
頭をグリグリ回転させながら泳ぐ、非常に大きなローリングとウォブリングを同時に兼ね備えた
独特のアクションで、弱ったミノーを上手に演出してくれます。
トップウォータープラグのクレージークローラーのアクションを水中で具現したような、
文章表現では難しいウォブンロールアクションを実現しています。
夕暮れ時に強く、緑蛍光カラー(GRA)でワンキャスト・ワンフィッシュ、
8匹連続でバスをヒットさせたことを記憶しています。